低音障害型感音難聴ってどんな病気なの?
低音障害型感音難聴とは、低音部の周波数のきこえが悪くなる病気です。
内リンパ水腫が原因と言われていますが、蓄積されたストレス、疲労などがきっかけとなって引き起こされるケースが多いようです。数日で症状が自然に治まることもありますが、再発のリスクが残ります。
メカニズム
内耳の「骨迷路」を満たす“外リンパ液”と、「膜迷路」を満たす“内リンパ液”は、通常混じり合わない構造になっています。しかし低音障害型感音難聴によって内リンパ液の量が増加すると、膜迷路が膨らみ、低音を感知する機能が正常に働かなくなります。このようにして、低音部の周波数だけのきこえが悪くなります。
症状
- 耳が詰まったような感覚
- 難聴
- 低い音の耳鳴り
- 音が割れて不快に響く
- 自分の声が響く
- めまい
低音部の周波数がきこえない病気ですが、代表的な症状は、“難聴”というよりも、“耳が詰まった感覚”というイメージの方が近くなります。
それぞれの症状の程度はさまざまで、少し気になるというレベルから、不快でたまらないというレベルまで見られます。また、これらの症状が片耳だけでなく、両耳で起こることもあります。
上記の症状に気づいたときには、森口耳鼻咽喉科にご相談ください。
どんな人が発症しやすいの?
傾向としては女性に多く見られる病気です。また、30~40代の方も比較的発症率が高くなります。働き盛りであること、職場や家庭での責任が重くなる時期であることも関係があるようです。
また、ある統計によると、春から秋にかけての発症が多く、反対に冬は少ない傾向にあります。
ストレスを溜めないこと、身体をしっかりと休めること、適度な運動を習慣づけることで、予防・再発防止になります。
低音障害型感音難聴の治療
肉体的・精神的ストレスの緩和
発症のきっかけとも言われる、肉体的・精神的疲労が軽減されるよう、意識して生活を送りましょう。また、適度な運動も効果的です。
薬物療法
ステロイド薬、浸透圧利尿剤、血液循環改善剤、漢方などを使って治療を行います。めまいを伴う場合は、初期のメニエール病との鑑別も行いながら、治療法を検討します。
強い難聴が現れている場合には、入院治療が必要なこともあります。