新型コロナウイルス
3月も中旬になり気温も上がり始めていますが、世の中はコロナウイルス一色といった感でしょうか。
例年は花粉情報でこのコラムもまとめるところですが、今のところスギ花粉も飛散は少なく症状は出るものの重症度は高くない方が多いようです。インフルエンザの方も少なく、コロナウイルスの感染を心配して受診しない方も多くいるのではないでしょうか。
小中高の休校措置以来外を歩く人も少なくなっているようです。電車など乗り物もかなり空いているのではないでしょうか。さてどのように感染を防ぐかはマスコミですでに報じられているように、人が集まるところに行かない、必要のない外出は控える、必要な場合も人が集中する時間帯を避ける、手が届くような位置関係で人と長時間接しない、帰宅後はこまめに長い時間をかけて手を洗う、人の近くに行くときはマスクをする、換気の悪いところに長い時間とどまらない、などでしょうか。
発症後の症状等正確な情報が伝わってこないため感染後に関しては未知の世界です。とにかく感染するような機会を減らして毎日生活していくことが、政府の求める自粛であり、この自粛もまだ継続されそうなので、今の耐乏生活を続けて政府の次の策を待ちたいと思います。
自粛が効いてピークが早く終わることを祈っております。
鼓膜穿孔治療剤リティンパ
立春も過ぎ梅も見ごろとなってきましたが、世間は新型肺炎の話題一色となっています。やはりマスクをして人ごみの中に入らないこと、頻回に手洗いをすることに留意ください。
今月の話題は昨年12月に発売されました鼓膜穿孔治療剤リティンパという薬です。滲出性中耳炎のチューブ脱落後の鼓膜穿孔や外傷による残った鼓膜穿孔、慢性中耳炎で鼓膜穿孔のみ残っている場合などが適応になります。外来局所麻酔での手術になります。
手順はまず鼓膜麻酔液を浸した綿花を鼓膜穿孔にあてて局所麻酔をします。鼓膜穿孔の周りを傷をつけて鼓膜の再生を促すために新しい傷口を作ります。そこにリティンパに付属しているトラフェルミンという薬に浸したゼラチンスポンジを適当な大きさに切って新しい傷口に詰め込みます。その上から組織接着剤で固定して終了となります。
手術時間は麻酔の15分を除いて20分から30分程度です。
1週間後と1ヶ月に再診して術後経過を観察します。1ヶ月後の所見で問題なければ穿孔閉鎖が確認できます。
当院では発売直後より、リティンパを使用した鼓膜穿孔閉鎖術を行っておりますので、鼓膜に穴がありお困りの方は是非一度ご相談ください。
手術費用は3割負担の方で18,000円程度ですが、その他の検査が必要になることがあります。この手術の適応になるかどうかは、まず一度診察をお受けください。
花粉症のレーザー治療
皆様あけましておめでとうございます。
令和2年が始まりました。
現在は年末にインフルエンザに罹り解熱後の鼻汁・咳などで受診される方が多いようです。インフルエンザは流行期ではあるものの爆発的には増加の傾向は見せていません。学校や会社など集団への復帰は、発熱後5日以上たってからとなります。発熱した日は0日目ですので注意してください。解熱後2日以上たってから登校・出勤可能ですが、どうか慎重に判断してください。もう1日余分に休んでいただいてもかまいません。その1日が感染拡大を防ぎます。例年咳が顕著なことが多いのですが、今年ははっきりしないこともあります。鼻汁や咽頭痛などの症状もそれほど出ていないこともあります。発熱だけで迅速キットで検査を行い陽性となることもあります。発熱・全身倦怠感・頭痛などがあれば、一度受診していただいて迅速キットでの検査を受けてください。早期診断早期治療が基本になります。
さて今年もスギ花粉症に対するレーザー治療を行っていますので、ご希望の方は今月中に済ませていただくことが望ましいです。血液検査で確定していない方は早めに受診お願いいたします。結果で、治療日を予約する必要があります。例年1月末ごろにレーザー予約が混み合うため早めの対応をお願いいたします。
インフルエンザ
師走に入り寒い日が続いています。
気温の低下とともにインフルエンザの方が少しずつ増えてきています。38℃から39℃と比較的高熱が出ますが、風邪症状の咳や鼻水は必ずしもはっきりしないこともあります。熱だけの場合もあります。頭痛や全身倦怠感は強いことが多い様です。鼻汁を検体に迅速キットで検査を行えば5分以内にはインフルエンザに罹患しているかどうかはっきりします。
当院では目視でなく器械読み取りを行っています。
今検出されるのはほとんどインフルエンザA型です。治療は発症後48時間以内に大人であれば、タミフルの内服かリレンザの吸入を行っていただきます。子供ならイナビルの吸入です。吸入ができないならタミフルのドライシロップになります。必ずしも抗インフルエンザ薬が必要というわけではありませんが、つらい症状を1日~1日半くらい短縮してくれていると考えられます。
周囲の人にインフルエンザ感染を拡大させないためには、早めに受診いただいて迅速キットで検査を受けていただくことが望ましいと思います。そして隔離のために5日間の自宅安静を守っていただくことが必要です。早めの受診をお願いいたします。
年末は12月28日(土)まで、年始は1月6日(月)から平常通り診療を行います。ご理解のほどお願いいたします。
経外耳道的内視鏡下耳科手術
11月も中旬に入り秋が深まってきています。朝夕の冷えが身に染みるようになってきました。するとインフルエンザの流行が予想以上に早く展開しています。学級閉鎖も報告されています。忙しい子供さんが多いので無理なスケジュールにならないようお過ごしください。
今回は流行の感染症のお話でなく、当院で行っている日帰り内視鏡下耳科手術のお話です。耳だれのために困っている人や子供時代にかかった中耳炎によって難聴があり改善を希望する人が対象となります。したがって対象疾患は慢性中耳炎と過去に手術を受けた術後耳、中耳真珠腫で、鼓室形成術という手術を内視鏡下に行います。耳小骨連鎖を温存する手術も耳小骨連鎖を再建する手術も日帰りで行っています。
普通、鼓室形成術は耳の後ろを大きく切って耳介をめくって顕微鏡下に術野を広げるのですが、当院では内視鏡下に行いますので耳の後ろを切らずに耳の穴から細い内視鏡を入れて中の外耳道の皮膚と鼓膜をめくって手術を行います。局所麻酔で行いますので意識のある状態で手術を受けていただくことになります。当院でも以前は耳の後ろを切って手術を行っていましたが、約3年前からすべて内視鏡下に行っています。
両方受けた患者さんによりますと内視鏡のほうがとても楽だとのことです。
耳だれや難聴でお悩みの方は手術の適応となるかどうか一度診察を受けてください。