オミクロン株対応ワクチン
11月に入って気温が下がり、木々の色づきも見られるようになりました。
驚くほど多くの方が罹患した第7波は完全に収束しないまま再び感染者の増加が認められています。
ゼロコロナではないため、政府の対策もすべてが緩和方向に舵を切り、ウィズコロナとなりつつあります。その中でオミクロン株への置き換わりが進んで、一度罹患した方も1~2か月後に再度同様の症状が出現するような症例が増えており、再感染か再燃化が起こっているものと考えられます。そこに第8波がやってくるものと思われます。やはり感染拡大防止のためには、今までの感染対策とワクチン接種が重要です。今月からはオミクロン株対応の2価ワクチンを打つことができるようになっています。まだ3・4回目を打ってない方もオミクロン株対応ワクチンを選んでいただければ重症化予防・感染予防・発症予防の効果が期待できるものとされています。
今までに4回接種を受けた方も5回目は2価ワクチンですので効果が期待できるものと考えられます。インフルエンザの流行も同時期であるためこちらもワクチン接種が必要ですが、接種間隔に縛りがないためいつでもどちらからでも打つことが可能です。インフルエンザ以外のワクチンとは2週間の接種間隔をあけることとされています。
今のところこのワクチンの接種者は6%以下ですので空いている今の時期に早く受けていただくことが望ましいと思われます。
鼓膜再生療法
10月に入って1週間が過ぎ、ようやく気温も下がり秋の気配がしてきました。
新型コロナウイルスの感染者の減少とともに受診される方が徐々に増加しているようです。社会活動が活発になり本来の姿に戻りつつあります。
その中で最近特に多いのが、鼓膜穿孔の方です。鼓膜穿孔治療剤であるリティンパ®を使用した鼓膜再生療法を希望して受診される方が多いようです。鼓膜再生療法は鼓膜の麻酔だけででき、外来で15~20分程度で終了する非常に負担の少ない手術方法です。鼓膜穿孔のある方すべてが対象になるわけではありません。
一度受診していただいて、鼓膜の正確な所見を確認後、聴力検査、側頭骨CT、パッチテスト等を行って適応を決定いたします。また活動性でない慢性中耳炎であることが重要です。それは手術をすることで耳漏が出たりするようであればトラフェルミンという線維芽細胞成長因子を含ませたゼラチンスポンジがすぐに流されてしまうからです。もちろん鼓膜再生療法の適応でなければ他の手術の適応となります。
当院では局所麻酔で行う日帰り内視鏡下耳科手術を行っております。
鼓膜穿孔、慢性中耳炎、中耳真珠腫の手術の希望のある方は一度受診してどのような手術の適応になるかの診断を受けてください。
オミクロン株と咳
9月に入っても蒸し暑い日が続いています。ごく短時間の集中豪雨や落雷・突風など急な天気の変化も最近では珍しくなくなってきています。温暖化による亜熱帯化でしょうか。
新型コロナウイルスの感染がようやく減少しかけているようですが、それでもまだまだ少なくなったとは言えない数の感染者数です。各地でいろいろな行事ごとの再開があり、大勢の人が集まるような機会も増えてきているようですし、マスクを外しての会食も増加しているのではないでしょうか。7月下旬から8月にかけての感染者がかなり多く、自宅での療養が終了した後に、咳が続いているような方が良く受診されます。一度治まった後でも再度咳が激しくなっているケースにも良く遭遇します。
オミクロン株の感染では、声門下喉頭の炎症が起こりますので、ふつうの咳止めでは止まりにくいようです。やはり吸入ステロイド(ICS)が必要です。ICSを使用することで、個人差はありますが、およそ2週間程度で軽快することがわかっています。感染後、のどの痛みや咳に悩まされている方は一度耳鼻科を受診していただき、喉頭の所見を診てもらって投薬を受けてください。吸入により咳症状等の緩和が見込まれます。
副鼻腔炎の続発も見受けられますので、我慢せずに受診していただくことをお勧めいたします。
酷暑と第7波
7月下旬から酷暑とコロナ感染者数の爆発的な増加が続いていましたが、8月2週目に入り高止まりした状態が継続しています。かなり身近な感染の状況と言えます。
成人で咽頭痛・全身倦怠感などの症状があり、声門下喉頭(声帯より深いところの喉の奥)に炎症所見のある場合、熱があってもなくてもPCR検査をお願いするのですが、全例陽性となっています。検査状況も逼迫しているため抗原検査になることもあるのですが、やはり陽性が出ます。
皆様がどこで感染をしてもおかしくない状況と言えます。家族内感染も多く感染回避はかなり困難ですが、大勢で集まることや会食、換気のない場所での集団行動などはぜひ避けていただきたいです。また有効性については議論もありますが、3,4回目のワクチン接種も受けていただくことが望ましいと考えます。発熱後すぐの抗原検査で陰性であってもコロナ未感染である信憑性は低いと思われます。検出率も悪いためその後にPCR陽性となっているケースが大変多いようです。早い段階での抗原検査陰性はコロナ陰性ではありません。
尚、当院は8月14日(日)から21日(日)まで夏休みになります。
薬の必要な方は受診をよろしくお願いいたします。ご理解の程よろしくお願いいたします。
猛暑とコロナウイルス
7月に入りました。すでに短い梅雨は開けていて猛暑が続いています。それでいて保育園児にはRSウイルス、アデノウイルスなどが検出されています。昨年・一昨年とほぼみることのなかった急性中耳炎も増えています。一時はかなり減少していたコロナウイルスもPCR検査を紹介すれば陽性が出ています。統計でも再度増加に転じているようです。
今のコロナウイルスは、咽頭痛・声がれ・咳(あったりなかったり)・倦怠感・微熱(ないことも)などの症状の方で、喉頭の内視鏡所見では声門下と言って声帯の下のほうの喉頭の中から気管にかけて発赤と浮腫が認められます。これらの症状のあるかたはコロナウイルスの感染を疑いできるだけ複数回の抗原検査やPCR検査を受けてください。1回で検出できないことはよくあります。1週間かけてやっと出ることもあります。普通に戻りかけた生活を続けるためにも検査をぜひお願いいたします。
上記の症状はステロイドの吸入や内服により2週間程度で軽快することがほとんどです。重症化することは少ないようですが、確定診断を受けてください。
尚、当院の夏休みは8月14日(日)から8月21日(日)の1週間です。
毎日暑さが厳しいですが、水分・栄養・睡眠を十分にとり免疫力を落とさないようにご注意ください。