院長コラム

2025.01.16

インフルエンザ大流行

皆様あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

気候的には穏やかな年始ですが、感染症はというとインフルエンザの嵐で警報レベルです。A型インフルエンザが史上最も多い観測と報道されています。年末がピークだったようです。ここ数年新型コロナウイルス感染症のため、他の疾患の流行がなく免疫がなくなっていたため手足口病、マイコプラズマ肺炎に続きインフルエンザの大流行を起こしているものと考えられます。その新型コロナウイルス感染症も徐々に増加傾向にあるようです。
中国で報告されているヒトメタニューモウイルスも気になります。そこで再びマスク生活が必要ではないでしょうか。インフルエンザ以外いずれの疾患もこれといった治療法はありません。密を避け、マスクをしてうがい、手洗い、栄養、休養が基本です。とにかく免疫を落とさないことが肝要であります。ご注意ください。

また今年のスギ花粉症は大量飛散が予想されています。今月はスギ花粉症に対するレーザー治療を行っていますのでご希望の方は早めに一度ご連絡いただき必要な検査や予約を行ってください。まだ半月ありますので間に合います。
一度受付まで電話を入れてください。よろしくお願いいたします。

2024.12.05

インフルエンザ流行始まる

12月になりました。長い夏の後、秋がなく冬になったような季節感です。感染症はインフルエンザが早速流行りだしていて、A型がちょくちょく検出されます。学級閉鎖もあるようです。発熱と咽頭痛、咳、鼻水、倦怠感などが主な症状です。受診される方の中で発熱者の割合が徐々に増加しています。しばらくご無沙汰だった新型コロナウイルスの感染も見られます。インフルエンザと同様の症状です。KP.3株が主流なようです。次にXEC株が多いようです。インフルエンザ、コロナいずれも同時抗原検査ができますので、発熱後1日程度で受診していただくことが望ましいです。

当院では来年のスギ花粉症に対するレーザー治療を希望する方の予約を121日から開始しています。レーザー治療自体は来年1月中に行いますので予定をお考えいただき申し込んでください。血液のアレルギー抗体検査をまだ受けていない方は早めに受診いただき結果判定後にご予約ということになります。またゾレアという抗IgE抗体製剤の注射をご希望の方は1月中に1度受診してください。血液検査にてIgE抗体の量を測定し投与スケジュールを調節いたします。年末は12月28日(土)午前診まで、年始は1月6日(月)から通常通り診療を行います。

2024.11.08

風邪と中耳炎

11月に入り、ようやく気温が下がり紅葉の季節になってきました。
同時に風邪ひきの子供たちが増加しています。コロナの流行期にはほとんど見られなかったのですが、コロナ流行前と同じように風邪ひきから急性中耳炎になる子供が増加しています。正確に述べますと、ウイルス感染の後、細菌感染を起こした鼻汁により中耳に炎症を起こし急性中耳炎になります。症状は耳痛、発熱、年齢により不機嫌、耳漏、耳閉感、耳の中での異音、耳の違和感などです。幼児では発熱がありますが、ないこともあり年齢が学童期になりますと耳の症状がほとんどになります。
治療の第一は抗菌薬内服です。起炎菌は肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、モラクセラ・カタラーリスです。主にペニシリン系抗菌薬が投与されることが多いのですが、耐性菌の問題や地域の薬剤の流通状況(現在も抗菌薬や鎮咳剤など出荷調整になっている薬剤も少なくありません)から必ずしも選択されないこともあり、治りに影響を及ぼすことも考えられます。場合により鼓膜を切って中の膿を出す鼓膜切開術が行われる場合もあります。耳痛や耳漏など耳の症状がなくなっても滲出液の貯留が続く場合もあり治癒を告げられるまで通院が必要になります。
保育園通園により何度も中耳炎が起こる反復性中耳炎もあります。程度により鼓膜チューブ挿入の適応になることがありますので、ご相談ください。
風邪ひきから急性中耳炎にならなくても滲出性中耳炎になっている場合も少なくありません。痛みがなくても子供の聞こえがおかしいと感じたらすぐに耳鼻科を受診ください。

 

2024.10.09

子供の鼻づまり

10月3日(木)~5日(土)を日本耳科学会参加のため休診していました。
7日(月)から通常通り診療を行っていますが、大変ご不便をおかけしました。今後しばらくは暦通りの診療日程です。

さて今月は子供の鼻詰まりのお話です。乳幼児から学童まで鼻詰まりがあると口呼吸になり、しゃべり方に変化が生じ、睡眠時にいびきや無呼吸が起こることになります。長く続くことにより下顎の発育が悪くなったり、顔貌に変化が生じたりします。ひいては歯並びや嚙み合わせにも影響が及ぶこととなります。
原因ですが、風邪ひきなら長く続くことはなく一定期間が過ぎれば改善しますが、いつまでも治らないとなるとアデノイドの肥大、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎を疑うことになります。アデノイドは鼻のずっと奥で上咽頭というところにあるリンパ組織で扁桃の仲間です。4-6歳ごろに最も大きくなりますが、個人差があり2歳ぐらいから成人前まで大きな人もいます。口を大きく開けても見えません。また副鼻腔炎も鼻の中を詳細に観察する必要があります。いずれも細い内視鏡を鼻からいれて検査を行うことになります。
アレルギー性鼻炎は花粉症であるのか、通年性のものなのか血液検査を行い、特異的IgE抗体を測る必要があります。そしてその抗体に応じた治療を行うことが必要です。そのためには一度耳鼻科で検査を受けていただき、鼻詰まりの原因をはっきりさせ、いつも鼻呼吸ができる健康な呼吸状態を作ることが重要です。

2024.09.03

聴力検査のすゝめ

迷走台風に翻弄された1週間が過ぎ9月になりました。まだしばらくは暑い日が続きそうです。
16日は敬老の日ですが、最近聞こえの悪さで受診される方が増加しています。ご自分で気なる方もいますが、家族など周囲の方に指摘されて初めて気づく方も少なくありません。ずっと若い時のままの聴力を維持できる人はいません。徐々に高音部を中心に聴力障害を起こしていきます。それに伴って耳鳴りを訴える方も多いようです。50歳が節目でしょうか。50歳を過ぎると聴力像に少し変化が出始めますので、自覚症状がなくても一度標準純音聴力検査を受けていただくことをお勧めします。
聴力障害の程度によっては語音聴力検査という単音節の聞き取り検査が必要になります。鼓膜に穴があるなどの中耳炎や耳小骨のなかのアブミ骨の動きが悪くなる耳硬化症等がなければ、ほとんどの場合、感音難聴という内耳の機能低下からくる聴力障害です。この感音難聴の場合は聴力を手術や薬で改善させることは出来ず、補聴器の装用が必要になります。その適否の判断のために語音聴力検査が必要になります。
補聴器の装用は聞こえの悪さを自覚してからでは手遅れのことがあります。気になる方は早めの受診と標準純音聴力検査、および語音聴力検査を受けていただくことが望ましいです。

1 2 3 4 5 6 22