森口耳鼻咽喉科では、手術を受けられる患者様のお身体の負担、お時間の負担を減らすために、局所麻酔を使用した「経外耳道的内視鏡下耳科手術（TEES：transcanalendoscopicearsurgery）」を日帰りで行っています。

内視鏡の大きな利点は、状況を見ながら視点を移動したり、視野を変えられたりすることです。顕微鏡下手術では死角になって見えない部分を、内視鏡では近付いて拡大し、詳細に観察できるので、病変を見逃さず、取り残さずにすみます。また、手術中に傷付けてはいけない神経を避けたり、骨の欠損を確認したりすることにも役立ちます。
当クリニックで使用する手術用内視鏡は、フルハイビジョンシステムで高画像、大画面で観察できるので、細かく複雑な部位の病変に対しても安全に的確な手術を行うことができます。

顕微鏡を使った手術を行うには離れたところから病変を観察する必要があるため、視野を広く確保しなければなりません。例えば中耳の手術で耳の前の方に病変がある場合、耳の後ろを切ってアプローチするので、狭い場所を見やすくするために異常がない骨や粘膜を広く削ることになります。
中耳内の粘膜は中耳内の内圧を保つ役割をしているため、正常ならば残しておきたい部分です。内視鏡下耳科手術では耳の後ろを切らず、耳の中だけの操作で手術が完結します。これは、必要な粘膜を残しておけるメリットと、手術後の傷が小さく回復が早いというメリットがあります。

当院では、鼓膜形成術、鼓室形成術、鼓膜チューブ挿入術（チュービング）、鼓膜穿孔閉鎖術などの手術を局所麻酔で行っています。
そのため日帰りで手術を受けていただけますし、全身麻酔に対し恐怖感のある患者様でも、安心して治療を受けていただくことができます。
全身麻酔特有の覚め際の不快感や悪心などをほとんど感じることなく手術を終え、帰っていただくことができます。

鼓膜チューブ挿入術（チュービング）にかかる時間は2～3分ほど、鼓膜穿孔閉鎖術で20分ほど、鼓膜形成術で45分ほど、鼓室形成術の手術時間で60～90分ほどです。
他の医療機関と比べますと、短時間で手術を受けていただけますので、患者様のご負担がより軽減されます。

医師による問診、診察、検査を行い、患者様の病状を診断します。手術が適応であると判断した場合、手術日、術前検査日を決定しご予約いただきます。

当クリニックまでご来院ください。ご家族の方の同伴をお願いいたします。ご自分での車の運転はお控えください。

手術にかかる時間は、鼓室形成術で麻酔も含めて60～90分ほどです。

リカバリーチェアのご用意がありますので、術後1～2時間ほど、当クリニック内のリカバリースペースにてゆっくりとお休みいただけます。
手術後は耳の穴に詰め物を入れます。綿球をご自分で毎日取り換えていただきます。
約1週間後にご来院いただき、耳の中の詰め物を取ります。その後の通院は、患者様の状態に応じて1～4週間後にご来院いただきます。