耳の中が炎症しているから耳が痛い?
耳は繊細な構造をしていて、とても敏感にできています。そのため痛みにも敏感に反応します。耳が痛いというのは、耳の中に炎症が起こっている場合が多いですが、のどやあごなどに原因があって痛みが出る場合もあります。
耳が痛くなる原因は?
中耳炎や外耳(道)炎などの耳の病気の他、細菌やウイルスによってのどに炎症がみられる急性咽頭炎、急性扁桃炎、顎関節症(がくかんせつしょう)などでも耳に痛みが出ることがあります。
耳の奥がズキズキ痛いのは何の病気?
耳の奥がはげしく痛む場合は、急性外耳道炎か急性中耳炎が考えられます。急性中耳炎は風邪などをきっかけに、細菌やウイルスが鼻から侵入し、耳管を通って中耳腔で炎症を起こして発症します。
膿が溜まるとズキズキと痛みが強くなり、鼓膜が破れてその穴から膿が流れ出します。これが耳垂れです。
発熱やはげしい痛みは1~3日ほどでおさまりますが、溜まった膿が抜けてしまうまでに1ヶ月ぐらいはかかりますので、治療をやめてしまわないように根気よく治していきましょう。
急性外耳道炎は耳掃除の後などに起こりやすいです。耳を触りすぎることはやめましょう。
耳が痛いときに考えられる病気とは?
急性中耳炎
耳の中の中耳に細菌などの感染が起こる病気です。耳管と鼓膜の間の中耳腔に細菌などによる炎症が起こると、膿が溜まってはげしい痛みが出たり、発熱したりすることがあります。また、鼓膜に穴が開くために耳が聞こえにくいといった症状が出ます。大人もかかりますが子どもの方がなりやすく、小学校に入る前に6〜7割程度の子どもが急性中耳炎にかかるといわれます。
真珠腫性中耳炎(中耳真珠腫)
鼓膜の一部分が中耳側に入り込み、垢が溜まって細菌などに感染して炎症を起こします。悪臭のある耳垂れや耳が痛いなどの症状があります。真珠腫は周りの骨を破壊しつつ大きくなっていきますが、耳小骨が壊されると耳が聞こえにくくなり難聴の症状が出ます。病気が進行すると顔面神経麻痺、髄膜炎、脳膿瘍など重い合併症が出ることもあります。真珠腫という名は、垢が貯まってできた腫瘤が真珠に似ていることから付けられました。
鼓膜炎
鼓膜に炎症が起きる病気です。鼓膜に水疱ができ、強い痛みが出る水疱性鼓膜炎と、痛みはあまりありませんが耳垂れが出て肉芽やびらんができる、肉芽腫性鼓膜炎に分けられます。水疱性鼓膜炎はウイルス感染や外耳道炎などによる炎症が原因と考えられていますが、はっきりとはわかっていません。肉芽腫性鼓膜炎は細菌感染が原因だといわれていますが、こちらも明確にはなっていません。
外耳道真菌症
外耳道(耳の入り口から鼓膜まで)に真菌(カビ)の感染が起こる病気です。外耳道の皮膚は薄く、非常に敏感です。耳そうじをし過ぎたり、乱暴にさわったりすると外耳道に傷ができ外耳道炎を起こしてしまいます。そこに真菌の感染が起こると、かゆみや痛み、耳だれなどの症状が出ます。外耳道が腫れたり、出血したりする場合もあります。
外耳炎
外耳道(耳の入り口から鼓膜まで)に細菌などが原因の炎症を起こした状態をいいます。口を動かしたり、耳たぶを引っ張ったりすると耳の痛みが強く出ます。その他にはかゆみ、耳垂れなどの症状が出ます。耳そうじのし過ぎで引っかいたり、プールやお風呂で水が入ったりして起こります。泳いだ後になることが多く、一般的に夏によくみられる疾患です。
耳が痛いQ&A
外耳(道)炎にならないよう気をつけることはありますか?
外耳道の皮膚が炎症を起こすのは、さわり過ぎによるものも多いです。健康な人であれば耳垢は自然に排出されるようになっていますので、耳そうじは1ヶ月に1度ぐらいすれば十分なのです。強く引っかいたりしないように気を付けて、気になる場合は耳鼻咽喉科で耳垢を取ってもらうようにしましょう。
子どもが風邪をひいた後、機嫌が悪くぐずります
急性中耳炎になっているかも知れません。小さいお子さんは耳が痛くても言葉でうまく伝えられないので、機嫌が悪くなったり、耳をしきりに触ろうとしたりすることがあります。風邪をひくと急性中耳炎になりやすいので、のどや鼻の症状が出たら耳鼻咽喉科を受診してください。お気軽に当クリニックにご相談ください。
子どもが急に「耳が痛い」と言い出したのですが、どうすればいいですか?
お子さんの急な耳の痛みは、ほとんどの場合、急性中耳炎や外耳炎が原因で起こります。夜間などに耳が痛み出して耳鼻咽喉科に行くことができない場合は、鎮痛剤などで痛みを和らげてあげてください。その後、お早めに当クリニックまで連れてきてあげてください。