鼓膜穿孔閉鎖術とは?
鼓膜穿孔閉鎖術とは、慢性中耳炎などで鼓膜に開いてしまった穴(穿孔)をふさぐ手術です。OtoLAM(炭酸ガスレーザー)で鼓膜の穴の周りを傷つけることによって組織の再生能力を活性化させた後、穴にテルダーミスという人工皮膚材料を詰め、穴をふさぎます。
鼓膜に穴が開いていると、耳が聞こえにくく、放置していると少しずつ難聴の症状が進んでいきます。また、穴が開いているままだと中耳腔に水や細菌などが入りやすくなり、くり返し炎症を起こしてしまいます。くり返し出る耳垂れにお悩みの方、病院で鼓膜に穴があると指摘された方、一度当クリニックにご相談ください。
手術適応となる方
- 慢性中耳炎により耳垂れの症状をくり返している方
- 耳が聞こえにくい方
- 鼓膜の穴をふさぐことで、聞こえの改善が期待できる方
- 鼓膜に開いた穴がそんなに大きくない方
- 鼓膜に穴が開いているので、水が入らないように気をつけなければならない方
- 鼓膜チューブ挿入術(チュービング)の穴が、ふさがらないまま残っている方
- 鼓室の肉の盛り上がりがあまりない方(ただし適応とならない場合もあります)
麻酔について
鼓膜のみへの局所麻酔を行います。麻酔にかかる時間はだいたい10分程度です。鼓膜への局所麻酔ですので、入院の必要はありません。手術は外来で受けていただけます。
手術時間について
手術時間はおよそ20分程度です。外来で受けていただけます。
当院の鼓膜穿孔閉鎖術の特徴
①外来にて短時間で可能
当院では、局所麻酔を使用した鼓膜穿孔閉鎖術を行っています。まず、OtoLAM(炭酸ガスレーザー)を使い鼓膜の穴の周りを傷つけ、組織の再生能力を活性化させた後、テルダーミスという人工皮膚材料を使って穴をふさぎます。手術は外来で、日帰りで受けていただくことができます。手術にかかる時間は、麻酔を含めおよそ20分程度です。
②どこも切らずに手術可能
鼓膜穿孔閉鎖術は患者様の負担が少なく、何度でも受けていただける手術です。ただし、他の病院やクリニックなどの医療機関で行われる入院が必要な鼓膜形成術や、当クリニックの日帰りによる鼓膜形成術と比べると、鼓膜をふさぐ成功率は低くなります。
しかしこの手術はどこも切ることなく行うことができ、費用も鼓膜形成術が6万円前後かかるのに比べ、鼓膜穿孔閉鎖術では5千円ほどですみます。
患者様のお身体、お時間、費用の面でご負担が少ない手術です。
鼓膜穿孔閉鎖術の流れ
1局所麻酔
鼓膜にだけ局所麻酔を行います。かかる時間は10分ほどです。
2鼓膜に開いている穴の周囲をトリミングする
局所麻酔の後、鼓膜の穴の周りをOtoLAM(炭酸ガスレーザー)で傷つけます。これは組織の再生能力を活性化させるために必要な処置です。
3鼓膜の穴をふさぐ
鼓膜の穴に、テルダーミスというシリコン膜が付いた人工皮膚材料を詰め込んで穴をふさぎます。手術にかかる時間は、麻酔も含めおよそ20分ほどです。
4術後1週間目
手術後1週間目にご来院いただき、経過観察をします。その後患者様の状態を見て、1~4週間後に再度ご来院していただきます。
5術後3週間目
通常、術後3週間目にシリコンシートを剥がすため、ご来院いただきます。
術後の注意点
- 手術後はすぐに日常生活を送っていただけます。傷は特に残りません。ただし、鼻を強くかんだり、はげしい運動をしたりするのは避けるようにしてください。
- 水泳は医師の許可があるまではしないでください。
- 高層ビルのエレベーターや航空機、トンネルなど気圧の変化が激しい場所は、耳に負担がかかるおそれがありますので気をつけてください。
- 一度でふさがらなかった場合でも、さらに手術をすれば穴が縮小していきます。
鼓膜穿孔閉鎖術の費用(3割負担の場合)
鼓膜穿孔閉鎖術 | 4,740円 |
---|