好酸球性副鼻腔炎

好酸球性副鼻腔炎ってどんな病気なの?

好酸球性副鼻腔炎ってどんな病気なの?好酸球性副鼻腔炎は、近年注目を集めている鼻の病気です。
嗅覚障害、鼻詰まり、鼻漏などの症状を伴います。粘度が強く、黄土色の鼻水が特徴的な症状です。
また鼻茸(鼻ポリープ)も確認されます。鼻茸そのものは何か悪さをするわけではありませんが、ウイルス・細菌感染を起こすたびに肥大化し、鼻詰まり症状の大きな原因になります。鼻茸が鼻の穴から溢れるほど多発することもあります。

なぜ“好酸球性”副鼻腔炎なのか

このタイプの副鼻腔炎が発見されたとき、その患者の鼻茸に好酸球(白血球の一種)が多く見つかったことから、好酸球性副鼻腔炎と呼ばれています。
実際、患者様の鼻茸を顕微鏡で観察すると、その傾向が見られます。ただ、好酸球性副鼻腔炎の直接的な原因が好酸球にあるというわけではありません。今のところ、この病気の原因ははっきりと分かっていません。

副鼻腔炎の中でも難治性の病気

副鼻腔炎の中でも難治性の病気好酸球性副鼻腔炎は、2015年より厚生労働省によって難病指定を受けています。それほど治療は困難である現状があります。

合併症がみられることも…

好酸球性副鼻腔炎は、嗅覚障害、鼻詰まり、鼻漏などの症状だけでなく、以下のような合併症を引き起こすことがあります。

気管支喘息

好酸球性副鼻腔炎の合併症としても、もっとも多く見られます。80%以上のケースにおいて合併が認められます。好酸球性副鼻腔炎の発症後、比較的早い段階で合併します。
ただし、気管支喘息の人が好酸球性副鼻腔炎にかかっているケースもあり、どちらが先でどちらが合併症なのか、はっきりとは分かっていません。

好酸球性中耳炎

好酸球性副鼻腔炎が重症化したときに、よく見られる合併症です。
急性中耳炎とは異なり、非感染性の中耳炎です。抗生物質ではなく、ステロイドの投与が有効です。何度も再発を繰り返すと、強い難聴をきたすことがあります。

好酸球性副鼻腔炎の治療

好酸球性副鼻腔炎の診断のガイドラインが確立されている一方、治療についてのガイドラインは未確立です。現在のところ、薬物療法の場合、内服ステロイド薬の使用が基本となります。
ただし、近年の研究によって一定の効果が認められる治療法も見つかっており、実際に有効な手段として臨床現場ではすでに実施されています。
治療は大きく、薬物療法と手術療法に分けられます。また、それらと並行して行う鼻洗浄も有効とされています。

薬物療法

薬物療法ステロイド薬の使用は、急性期に増量、寛解期には少量と、疾患の進行状況によって調整することが大切です。
その他、抗アレルギー薬、鎮咳去痰剤、吸引ステロイド薬などを併用することもあります。

手術療法

手術療法ステロイドの長期投与を避けるという意味で、手術療法が第一選択となることもあります。
「内視鏡下副鼻腔手術」では、副鼻腔の単洞化、異常な粘膜や鼻茸(鼻ポリープ)の除去などを行います。また、鼻腔の形態を改善(鼻腔の容積の拡大・通気性の確保)などが有効なこともあります。

鼻洗浄

鼻洗浄によって、鼻水の除去、鼻腔の除菌、鼻腔粘膜の炎症の軽減に努めます。

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