鼻づまりは鼻水が詰まった状態ではない!?
誰でも一度は経験する「鼻詰まり」。風邪、花粉症、ちょっとした体調不良のときなどに起こる、私たちにとって身近な鼻の症状の一つです。
この鼻詰まり、実は“鼻水が詰まったから”“鼻水が固まって”起こる症状ではないことをご存じでしょうか。
鼻づまりは粘膜の腫れが原因
鼻詰まりと鼻水が同時に起こることが多いため、なんとなく、鼻水が詰まって鼻詰まりが起こる、と誤解されていることが多いのですが、鼻詰まりの原因は“粘膜の腫れ”にあります。
炎症が毛細血管を拡張し、鼻腔の粘膜が腫れて空気の通り道が狭まることで、鼻詰まりが起こります。
鼻水と鼻詰まりは、別の症状として捉え、また治療していく必要があるのです。
鼻づまりを起こす疾患は?
急性鼻炎・アレルギー性鼻炎
急性鼻炎、アレルギー性鼻炎、どちらも鼻腔で炎症が起こっている状態です。
毛細血管が拡張と収縮を繰り返すことで、鼻腔粘膜の腫れもひどくなったり・ひいたりを繰り返します。このため、鼻水と鼻詰まりの症状が同時に起こります。
肥厚性鼻炎
下鼻甲介が過度に肥厚し(厚くなり)、空気の通り道が狭められて起こるのが肥厚性鼻炎です。アレルギー性鼻炎、鼻中隔弯曲症、長年点鼻薬を使用してきたことで起こる薬剤性鼻炎の方によく見られます。
副鼻腔炎
副鼻腔炎の方も、鼻腔に粘度の高い鼻水が溜まり、鼻詰まりを起こしやすくなります。
特に風邪をひいたときなど、抵抗力が落ちているときは要注意です。細菌に感染しやすい状態ですので、副鼻腔炎を発症するリスクが高まります。
鼻中隔弯曲症
左右の鼻の穴を隔てている壁が「鼻中隔」です。そして、この鼻中隔が左右どちらかに大きく曲がっているために強い鼻詰まり症状を起こしているのが「鼻中隔弯曲症」です。
必ずしも、外から見て曲がっていることが確認できるとは限りません。正面から見て真っすぐでも、鼻腔内で湾曲し、強い鼻詰まりをきたしていることが少なくありません。
鼻茸(ポリープ)
鼻茸は腫瘍ではなく、粘膜が肥大化したものです。物理的に通気を阻害しますので、鼻詰まりの原因になります。
副鼻腔炎などで粘膜が炎症を起こした状態が長期間続いたり、繰り返されることで起こります。
アデノイド肥大
上咽頭の奥にある、扁桃と同じリンパ組織がアデノイドです。
アデノイドが肥大すると、空気の通りを阻害し、鼻詰まりを起こします。特に、お子様の鼻詰まりの原因としてよく見られます。