花粉症を根治する!?舌下免疫療法
スギ、またはダニに対するアレルギーの診断を受けた方は、舌下免疫療法の適応となります。
舌下免疫療法は、微量のアレルゲンを含む治療薬を下の裏側に置き(あるいは滴下し)、1分経過してから飲み込む療法です。これを毎日続けていくと、次第に身体がアレルゲンに反応しにくくなります。
初回のみ院内で服用していただき、以降はご自宅で治療を継続していただけます。通院回数が大幅に削減されますので、患者様にとってもご負担の少ない治療法と言えます。
※ダニアレルギーに対する舌下免疫療法については、2018年より、保険適用の年齢制限が撤廃されました。年齢に関係なく、保険診療で受診ができます。
どんな人に向いているの?
先述の通り、舌下免疫療法は、スギアレルギー、ダニアレルギーの診断を受けた方が適応となります。副作用もほとんどなく、根本的な問題の解決につながる可能性があります。
中でも、特に以下に該当する方におすすめしています。
- 治療期間が長くなっても、根本的な解決を目指したい。
- 症状が強く現れていて辛い。
- スギ花粉症でたくさん薬を服用しており、なんとか薬を減らしたい。
- 内服薬の副作用(特に眠気)で生活・仕事に支障がある。
- スギ花粉のシーズンを迎えるたびに憂鬱になる。
- 受験勉強の期間がスギ花粉の飛散シーズンと重なっているため、少しでも改善しておきたい。
- レーザー治療に抵抗がある。
舌下免疫療法の効果は?
舌下免疫療法は、微量のアレルゲンを含む治療薬を服用し、徐々に身体を慣らしていく治療法です。そのため、スギ花粉の飛散シーズン以外も、毎日服用する必要があります。
- くしゃみ、鼻水、鼻詰まりの症状の軽減、消失
- 目のかゆみの症状の軽減、消失
- 花粉シーズンを楽に過ごせる
- 花粉シーズンのアレルギー治療薬が減量できる、あるいは服用しなくて済む
治療方法と治療期間について
治療方法
治療薬を1日1回、毎日服用します。下の裏側に治療薬を置き(あるいは滴下し)、1分が経過してから飲み込みます。
初回は院内で、その後はご自宅で服用を続けていただきます。副作用なく使用できているかを確認しながら、定期的に治療薬の種類を変えながら処方を続けていきます。
治療期間
毎日の服用を、3~5年ほど継続していただきます。また、スギ花粉症に対する舌下免疫療法の場合も、スギ花粉の飛散シーズン以外も服用を続ける必要があります。
舌下免疫療法に副作用はあるの?
舌下免疫療法において、アナフィラキシーショックのような重篤な副作用があったという報告もあります。頻度はかなり稀ですが、お薬を使用する以上、副作用が生じる可能性がゼロではないことをご理解ください。
舌下免疫療法で確認されている副作用には、以下のようものがあります。
なお、これらの副作用は、治療を開始した直後に集中して現れる傾向にあります。
- 口腔内、唇のかゆみ、腫れ
- 蕁麻疹
- 喘息発作
- 目、耳のかゆみ
- 喉の炎症、違和感
- くしゃみ、鼻水、鼻詰まり
- 咳
- 腹痛
- 嘔吐、下痢
このような方は舌下免疫療法を受けることができません
以下の項目に該当する場合、舌下免疫療法を行うことができません。
- 薬でコントロールできない重度の気管支喘息を患っている方
- 悪性腫瘍(がん)、免疫系の病気をお持ちの方
- β阻害剤使用中の方
- 全身性ステロイド使用中の方
- 治療開始時に妊娠中の方
- 継続して歯科治療中の方
- 口腔潰瘍のある方
- 重度の口腔アレルギー症候群
-
転居の予定がある、または継続的な通院が困難である方